過剰流動性、カラット、基軸通貨とは
はじめての金〔用語編〕
- 2011/9/2 7:00
さまざまな金融商品に特有の用語があるように、金の世界にもいろいろな言葉がある。この「はじめての金〔用語編〕」では、金のことをより正確に、身近に知るために、知っておきたい用語を解説していく。第1回は「過剰流動性」「カラット」「基軸通貨」だ。
【過剰流動性】
過度な金融緩和が行われ、実体経済の取引規模を上回って通貨が流通している状況を指す。
各国の中央銀行などは本来、通貨の供給量や金利水準などの適切な管理を実施することで、物価を安定させることを重要な業務としている。しかし、経済状況やマネーの動向によって、そうした目的とは異なった金融政策を取らざるを得ない事態に陥ることがある。その結果、過剰な資金が市場に供給され、それが土地、株式、債券などに投資され、バブルを引き起こす場合がある。
1980年代の日本や、サブプライム・ショック以前の欧米では、過剰流動性が元で資産バブルが発生した。
【カラット:karat】
金の純度を24分率で表す単位のこと。現在でも金の宝飾品や万年筆のペン先の純度表示などで使われている。ちなみに24K(24金)とは純度24分の24、つまり純金を意味する。22K(22金)なら24分の22=91.67%、18K(18金)なら24分の18=75%の純度であることを表している。
【基軸通貨】
国際的な決済や金融取引で中心的に利用されている通貨のこと。英語ではキーカレンシー。世界通貨という言い方もされる。
19世紀から、金本位制を背景に英国ポンドが基軸通貨の立場に君臨し続けたが、第2次世界大戦終了以降は、金ドル本位制(米国が各国中央銀行に対して金とドルとの交換を約束した体制のこと。1971年に終了)や米国の経済力の急激な高まりを背景に、米ドルが基軸通貨の地位を引き継いで現在に至っている。
ただし、このところ米ドルに対する信認には揺らぎが見られ始めている。その結果として、金に注目が集まっていると見ることもできる。
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