鍋嶋郁 アジア経済研究所主任調査研究員
農業も「自由化」を享受 韓国の政策転換に学べ
11月に横浜で行われるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳・閣僚会議に向けて、日本各地で関連会議が開催されている。9月25、26日にも高級実務者会合が仙台で開かれ、今年のAPECの主要課題である「アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)」構想や「APEC成長戦略」などについて議論がなされる予定である。
今年はAPECの今後のあり方を再考するのに格好の年である。APECでは1994年に「ボゴール目標」が採択され、先進国では2010年、発展途上国では20年までの貿易自由化達成を目指してきた。本年は先進国にとってまさにボゴール目標の達成年である。同目標の掲げる「自由で開かれた貿易および投資」には明確な定義がないことから、達成されたかどうかの厳密な評価は困難であるものの、94年以降、関税などの貿易障壁は大幅に削減された。しかし一方で、貿易・投資の自由化に向けて取り組まなければならない課題がいまだ多く残されていることも事実である。
FTAAP構想は、APECの21カ国・地域全体で多国間の自由貿易協定(FTA)締結を目指すものである。FTAAPが推奨される背景には、自主的措置のみでは真の域内貿易自由化が困難ではないかとの見方が広まっていることがある。FTAAPは、自主的措置を前提とするこれまでのAPECとは性格が異なり、拘束性のあるFTAとして確立されなければならない。特に重要なのが、どれだけ本当の意味での貿易自由化が達成できるかである。
FTAAP実現への道筋をつけるためにも重要な議題が、APEC域内の成長戦略である。現在策定されているAPEC成長戦略案には(1)「均衡ある成長」(2)「あまねく広がる成長」(3)「持続可能な成長」(4)「革新的成長」(5)「安全な成長」の5つの要素がある。
貿易自由化を円滑に進めるためには「あまねく広がる成長」を考慮する必要がある。経済地理学の理論では、産業は自然に集積し、集積した産業はより高い生産性を持つため、産業の分布は均一にならず、ある特定地域に集中する。これは、経済構造が知的財産に由来する度合いが大きければ大きいほど強く出てくる傾向である。
貿易自由化により恩恵を受ける産業がさらなる成長を遂げ、その産業が集積する地域をより活性化させる。一方で、貿易自由化による恩恵を受けにくい産業が主体の地域では、その産業だけでなく地域全体が大きな打撃を被る可能性もある。このような産業間・地域間の貿易自由化における恩恵度の違いに配慮し、適切な政策を加味しなければ、FTAAP構想への域内各国の同意、もしくは我が国の貿易自由化政策への各界からの同意を得ることが困難となり、今後の自由貿易政策の推進にとって大きな足かせとなろう。
ここで留意する必要があるのは「あまねく広がる成長」のために単純な国内産業の保護を推進するのではなく、恩恵が受けにくい産業に対してどのような政策を打ち出していくかである。言いかえれば、FTAAPによる恩恵が最終的にAPEC域内全体、すべての産業、すべての人々に広く浸透していくことを意識した制度作りが必要といえよう。
APECにおけるFTAAPのみならず、貿易自由化の促進、FTA締結は、輸出依存型の経済である我が国にとって極めて重要な課題である。本来ならば世界貿易機関(WTO)を通じて多国間の貿易自由化が推進されるべきだが、多角的通商交渉(ドーハ・ラウンド)が停滞している今、各国は条件の合う国々と個別にFTAを進めており、2000年以降150以上もの2国間FTAが締結されている。その中で日本はかなりの後れを取っている。
日本にとって、FTA締結の最大の障壁となっているのが農業保護政策である。その結果、経済協力開発機構(OECD)の09年のデータをみると、農産物の国内価格を国境価格(輸入品の自国到着時点の価格)で割って計算する「名目保護指数」が日本は1.80に達し、OECD加盟国平均(1.13)と比べて非常に高い。今後の我が国のFTA戦略を考える上で、この問題の解決が不可欠である。すでに述べたように「あまねく広がる成長」は国内産業の保護を推進するのではなく、恩恵を受けにくい産業に対していかなる政策を打ち出していくかが重要であり、農業問題の解決も同様の発想方法で臨むべきである。
まず、第一歩として、農産物の輸入規制緩和を促し、徐々に自由化の方向へ政策転換を図るべきであろう。日本もウルグアイ・ラウンド合意後、農産物の関税化に踏み切り、形式上は自由化の方向に向かった。しかし、保護対象となっている農産物の関税があまりに高く、ほとんど輸入禁止措置と変わらないのが現状である。少なくとも、これらの関税をある程度下げ、国際市場との関連性を高めていかなくてはいけない。
それと同時に農業政策の大幅な見直しも必要である。政府は、将来的に貿易自由化の恩恵を受けられる農業を目指し、そういった姿へと移行するための援助を積極的に行うべきである。具体的には、農地規模の拡大(大規模専業農家・企業の参入)、専業農家に限定した支援、確立されたゾーニングによる農地の確保、輸出産業化などである。
一方で、現在の農家への戸別所得補償制度は保護対象者の適切なターゲティングができているとは言い難く、財源の有効活用の観点から更なる見直しが必要である。専業・兼業農家の区別なく、そのうえ、農家の所得減が貿易の影響か否かの判断なしに、画一的に補償する「バラマキ」は、真に日本の農業を活性化させる政策とはなり得ない。
かつて、韓国も日本と同様に、国内農業を保護してきた。しかしながら、韓国政府は「119兆ウォン投融資計画」を掲げて農業政策を見直し、FTA締結に向けて邁進(まいしん)している。この計画は04年から13年までの10年間における農業対策である。農村インフラ整備と、短期的被害補償などの直接支払いに加え、特筆すべき項目は専業農家20万戸育成、営農規模拡大、優秀品種開発、世代交代の促進などである。農業の中・長期的な競争力向上を目標とし、農家の所得を競争力向上によって賄おうとしている。これは韓国政府がFTAなしでは今後の韓国経済の成長は望めないと認識しているからである。
この政策が成功する保証はない。しかしながら、韓国のこのような大胆な農業政策は国内農家のFTAへの反発を抑える上で一定の役割を果たし、米国など主要国とのFTA早期締結合意に寄与した。これによって韓国企業の米国市場へのアクセスは日本企業よりも有利になり、今後の韓国産業界にとって、明るい材料となっている。
日本も今後FTAを促進する中で、農業政策の見直しが必要である。農業を保護が必要な脆弱(ぜいじゃく)な産業としてとらえるのではなく、成長産業・輸出産業となり得る産業として認識し、そのための政策を打ち出していくべきである。実際、アジア諸国では、日本の農産物は高品質・安全という評判である。中国においては乳製品へのメラミン混入など食品安全面で問題が発生したために日本からの粉乳の輸出が倍増しており、その他の日本産農産物・食品も高価ながらも堅調な伸びを見せている。この機会をうまく活用し、農業も製造業と共に成長産業として、貿易自由化の恩恵を十分に享受できる産業になるべきである。
APECが「貿易・投資の自由化」と「成長戦略」の両者を有機的に連関させつつ推進しようとしていることは大いに時宜を得たものである。我が国自身も同様のアプローチを取り、多国間FTAの枠組みである環太平洋戦略的経済パートナーシップ(TPP)への参加など、貿易投資自由化の積極的推進を図らなければならない時期に来ている。このまま内向的政策を続け、徐々にグローバル経済から離脱し、経済力が衰えていくのを容認するのか。それとも今まで以上に世界経済と深く連携し「あまねく広がる成長」の戦略を取るのか。今の選択により日本経済の将来の明暗は分かれるであろう。
<ポイント>
○APEC、真の自由化へ残された課題多い
○自由化推進に「あまねく広がる成長」戦略
○韓国の大胆な農業政策はFTA推進に寄与
22/09 米・ASEAN 連携加速
首脳会議共同声明案 経済・安保など広範に
南シナ海問題 中国をけん制 div/div.JSID_key_html
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【ハノイ=岩本陽一】米国と東南アジア諸国連合(ASEAN/async/async.do/ae=P_LK_ILTERM;g=96958A90889DE2E6E3EAE7E6E5E2E3E4E2E1E0E2E3E29BE0E2E2E2E2;dv=pc;sv=KN)が戦略的パートナーシップの構築に動き出す。24日にニューヨークで開く米ASEAN首脳会議で、経済や安全保障など幅広い分野の包括連携で合意する。「東アジア共同体」構想の推進で主導権を握るとともに、南シナ海の領有権問題で中国をけん制する狙いがある。ASEANは日中韓3カ国を軸に域外連携を進めてきたが、今後は米国の関与も受け入れ、東アジア全体の成長を目指す。
米国はオバマ政権になってASEANに急接近している(7月、ハノイのASEAN関連会議に出席したクリントン国務長官)=AP
2回目となる今回の首脳会議で採択する共同声明の原案によると、米とASEANは「賢人会議」を活用して包括連携の中身を協議。2011年までに「具体的かつ実務的な提言」をまとめる。
オバマ米大統領は来年からASEANと日中韓など16カ国で構成してきた東アジア首脳会議(サミット)に出席する方針。米国はASEANとの連携強化を足がかりに、東アジア共同体を巡る今後の議論で発言力を高める方針。今年から同サミットに加わる予定のロシアに対抗する狙いもある。
共同声明案は包括連携の大枠について、投資・貿易の拡大、知的財産権の保護、科学技術分野での協力、エネルギー開発や食料安保での協調などを盛り込んだ。
安保分野では中国やベトナム、フィリピンなどが争う南沙(スプラトリー)諸島と西沙(パラセル)諸島を中心とする南シナ海の領有権問題について「地域の平和と安定を重視する」との方針を強調。船舶の航行が妨げられるなどの事件が発生しないよう関係国に要請した。ベトナムでは中国によって漁船が拿捕(だほ)される事件が相次いでおり、間接的な表現ながら同海域で影響力を強める中国をけん制した。
同問題を巡る共同声明案には当初、中国により厳しい内容が盛り込まれていたが、改訂版では削除された。経済面などでASEANは中国依存を強めており、関係悪化を懸念するASEANが米側に修正を要請したとみられる。一方、中国外務省の姜瑜副報道局長は21日の記者会見で「南シナ海に関係ない国家が南シナ海の争いに手を出すことに断固反対する」と述べ、関与を強める米への反発を改めて示した。
11月に総選挙を実施するミャンマーには「国民和解に向け政治・経済の改革に期待する」と表記、軍事政権への厳しい批判は盛り込まなかった。
米とASEANの首脳はシンガポールで昨年11月、初会合を開いた。米国は経済・産業分野での関係強化を狙って成長ペースの速いASEANに接近。ブッシュ政権時代に手薄になった東南アジア政策で巻き返しを進めている。米国は10月に第1回会合が予定されているASEAN拡大国防相会議にも参加する方針。ASEANへの関与を深め、軍備拡張を進める中国への警戒を強める戦略の一環とみられる。
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米国はオバマ政権になってASEANに急接近している(7月、ハノイのASEAN関連会議に出席したクリントン国務長官)=AP
2回目となる今回の首脳会議で採択する共同声明の原案によると、米とASEANは「賢人会議」を活用して包括連携の中身を協議。2011年までに「具体的かつ実務的な提言」をまとめる。
オバマ米大統領は来年からASEANと日中韓など16カ国で構成してきた東アジア首脳会議(サミット)に出席する方針。米国はASEANとの連携強化を足がかりに、東アジア共同体を巡る今後の議論で発言力を高める方針。今年から同サミットに加わる予定のロシアに対抗する狙いもある。
共同声明案は包括連携の大枠について、投資・貿易の拡大、知的財産権の保護、科学技術分野での協力、エネルギー開発や食料安保での協調などを盛り込んだ。
安保分野では中国やベトナム、フィリピンなどが争う南沙(スプラトリー)諸島と西沙(パラセル)諸島を中心とする南シナ海の領有権問題について「地域の平和と安定を重視する」との方針を強調。船舶の航行が妨げられるなどの事件が発生しないよう関係国に要請した。ベトナムでは中国によって漁船が拿捕(だほ)される事件が相次いでおり、間接的な表現ながら同海域で影響力を強める中国をけん制した。
同問題を巡る共同声明案には当初、中国により厳しい内容が盛り込まれていたが、改訂版では削除された。経済面などでASEANは中国依存を強めており、関係悪化を懸念するASEANが米側に修正を要請したとみられる。一方、中国外務省の姜瑜副報道局長は21日の記者会見で「南シナ海に関係ない国家が南シナ海の争いに手を出すことに断固反対する」と述べ、関与を強める米への反発を改めて示した。
11月に総選挙を実施するミャンマーには「国民和解に向け政治・経済の改革に期待する」と表記、軍事政権への厳しい批判は盛り込まなかった。
米とASEANの首脳はシンガポールで昨年11月、初会合を開いた。米国は経済・産業分野での関係強化を狙って成長ペースの速いASEANに接近。ブッシュ政権時代に手薄になった東南アジア政策で巻き返しを進めている。米国は10月に第1回会合が予定されているASEAN拡大国防相会議にも参加する方針。ASEANへの関与を深め、軍備拡張を進める中国への警戒を強める戦略の一環とみられる。
国家公務員制度改革論点 (下)「個」の意欲引き出す環境を
加藤創太 国際大学教授
政官の分担、明確に 内閣機能の強化は重要
公務員制度改革が主要な政治的アジェンダ(政策課題)になってからすでに10年以上たつ。その間、国家公務員法が数度にわたり改正され、行政改革推進法、国家公務員制度改革基本法などが成立し、様々な「大綱」や「方針」が閣議決定された。法改正や新法制定には政府内の膨大なエネルギーと時間が費やされ、毎年のように新たな改革案が提示される。なぜ延々と改革論議が続くのだろうか。
政治学において、世論が割れず一方向に流れる争点を合意争点(valence issue)という。政治倫理、環境などが典型例として挙げられる。公務員制度改革もその一つといえよう。政治主導の実現、公務員組織のスリム化、といった基本部分について、世論の大勢も主要政党もメディアも、同じ方向を向いている。
こうした合意争点は、しかし、いったん具体案が政権与党から提示されると、途端に対立争点(position issue)に転じることが多い。世論の方向性が明らかであるため、与党案では「手ぬるい」という批判や対案を、与党内の対抗勢力や野党などが出してくるからである。
2008年に当時与党であった自民党が国会に提出した国家公務員制度改革基本法を、民主党は「手ぬるい」と激しく批判した。しかし、政権交代後に民主党が提出した国家公務員法改正案に対しては、今度は自民党が「手ぬるい」と批判している。
公務員制度改革の重要性は非常に大きいが、政策課題が山積する中、延々と議論を続け改革競争をエスカレートさせていくのは適切ではない。
こうした議論を収斂(しゅうれん)させるためには、超党派での取り組みが有効となる。参院選後の衆参ねじれ現象は、必然的に超党派の政策形成を促すため、そのよい機会となるだろう。実際、玄葉光一郎前公務員制度改革担当相は、他党との政策協議に前向きな発言をしていた。
超党派での取り組みにあたっては、「改革派」対「抵抗勢力」の浅薄な二元論ではなく、制度改革の目的や根本理念に立ち返った骨太の議論を望みたい。公務員制度改革論争は、基本の方向性では一致しつつお互いの差異を強調してきたため、細かな法制度論の隘路(あいろ)にはまり込んでいる。半面、基本方向についての批判が少ないので、根幹部分の議論は粗い。
公務員制度改革の目的は、(1)国家と公務員の目指す方向性を一致させ(2)政官の役割分担を定め(3)目指すべき方向性に向け「個」の公務員の意欲・活力を最大化させることに尽きるはずである。これは企業など他の組織改革と変わらない。(1)(2)(3)を実現する上での制約要因は、権力分立原則、公務員の中立性の維持、公務員人件費縮減の必要性、などである。
図を見れば、この目的の実現が容易ではないことがわかる。日本は先進民主主義国家の中で、人口当たりの国家公務員数が非常に少ない。その上さらに公務員人件費を縮減しつつ、望ましい公務員制度改革を達成するためには、よほど効率良く(1)(2)(3)を達成しなければならない。
ここ10年以上の公務員制度改革は(1)の国家と公務員の方向性の一致に終始してきた。その中心が、官僚主導から政治主導への動きだ。省益に走りがちな官僚を、選挙で選ばれた政治家が主導し、国民の望む方向へ向けさせる、というロジックである。
民主党政権が提示した改革案の多くも(1)についてである。彼らが目指す政治主導は、基本的には政党主導ではなく、「内閣主導」である。特に重点が置かれているのは縦割り行政の打破で、幹部人事の一元化、内閣人事局の設置、国家戦略局(室)の設置などはいずれもその視点のものだ。
低成長、少子高齢化時代を迎え、政治・行政には「何を捨て、何を取るか」という調整機能が求められる。そのためにも縦割り行政の打破と内閣機能の強化は極めて重要である。その意味で、幹部公務員人事の横の流動化は必要であり、国家戦略室の機能は縮小されるべきでない。
しかし、幹部人事の一元化や内閣人事局の設置などを通じ、政治家が公務員の人事権を強く握ることについては、公務員の中立性や権力分立の観点から慎重な検討が必要だ。公務員は内閣の指揮命令に服すると同時に「全体の奉仕者」(憲法15条)として政治的中立性も要求される。この両者の微妙なバランスには敏感でなければならない。実際、民主党が政治主導のモデルとする英国では、大臣の公務員に対する人事権を認めていない。
政治家が幹部公務員に対して強い人事権を持てば、幹部公務員は政治家の歓心を買うために政治化する。しかし、官僚が政治家と一体化し利害調整を担うことになれば、それは「自民党時代の族議員・官僚主導」への逆戻りとなるのではないか。
望ましい政治主導とは、政治家と官僚が一体化することではないはずだ。選挙で選ばれた政治家が方向性やプライオリティーを示し、官僚は専門知識を生かして政策の選択肢を示すといった役割分担こそが必要となる。
その際、政治家が、党利党略や選挙区利益のため公務員を「主導」しないよう監視することも必要となる。政官の接触制限を導入すべきである。また、政党や政務三役の意思決定過程の透明化も重要となる。そのためにドイツなどに見られる政党法の発展的な導入や、政務三役会議の議事録公開を検討すべきだ。
公務員制度改革の論議のおそらく最大の特徴は(3)「個」の公務員の意欲最大化についての議論が驚くほど欠けていることである。当然のことながら、組織のパフォーマンスは個の構成員の能力と意欲にかかっている。優秀な人材を確保し、彼らが意欲とプライドを持って、自らの知力や創造力を前向きに絞り出すような環境をつくる必要がある。
企業などの組織改革でトップが最も重視するのは、構成員へのインセンティブ(誘因)の付与であろう。適切なインセンティブを与えることで構成員を前向きに正しい方向へと誘導できれば、構成員の意欲の最大化だけでなく、組織と構成員の方向性の一致も実現できるからだ。これに対し、トップが構成員を強権的に抑えつければ、方向性は一致できるかもしれないが、意欲が損なわれる。
だが、同じ人間の組織を扱っているにもかかわらず、公務員制度改革では公務員にインセンティブを与えるという前向きの議論は少なかった。代わりに、公務員の行動規制や法律の抜け穴をふさぐことばかりに熱を上げてきた。これは企業でいえば、抜本的な経営改革をするのに就業規則の改定ばかりに熱中するようなものだ。
天下り問題もインセンティブの観点から考えることができる。天下りは、退官後に高額の報酬を与える制度であるため、組織に対する長期的な忠誠のインセンティブとなっていた。しかしこれは、縦割り行政の弊害が叫ばれる現在ではむしろ逆効果であろう。民主党案のように天下りのあっせんを禁止しつつ、定年を実質延長する方向に進むことが望ましい。
最後に、公務員制度改革についての問題点と取るべき方向性についてまとめたい。
1つは、改革のベースとなる基本的な点について、政治哲学や理論、データを基に検討し直すべきである。たとえば、自民党政権では官僚主導だったと思われているが、政治学者の丹念な実証研究の結果は、否定的なものが多い。
2つ目は、政治制度改革との連動である。政治家が、党利や部分利益でなく全体利益のため公務員を主導するよう、国民が政務三役や政党を監視できる制度が必要となる。
3つ目は、上からの法規制ではなく、個を中心に置いた制度設計を進める必要があるという点だ。公務員制度の根源は、個々の公務員の能力と意欲である。彼らの創造力や活力を最大限に引き出すようなインセンティブ付けが必要となる。若手公務員の声にもっと耳を傾けるべきだ。法律家でなく、経営者や経営学者の視点が重要となる。
そして最後は、国家ビジョンである。これがあってはじめて、公務員制度も、個の公務員が向くべき方向性も、最終的に定まってくるはずだ。
<ポイント>
○公務員制度の議論、超党派の取り組み有効
○従来は「国家と公務員の方向性一致」に終始
○国家ビジョン踏まえた骨太の改革議論必要
政官の分担、明確に 内閣機能の強化は重要
公務員制度改革が主要な政治的アジェンダ(政策課題)になってからすでに10年以上たつ。その間、国家公務員法が数度にわたり改正され、行政改革推進法、国家公務員制度改革基本法などが成立し、様々な「大綱」や「方針」が閣議決定された。法改正や新法制定には政府内の膨大なエネルギーと時間が費やされ、毎年のように新たな改革案が提示される。なぜ延々と改革論議が続くのだろうか。
政治学において、世論が割れず一方向に流れる争点を合意争点(valence issue)という。政治倫理、環境などが典型例として挙げられる。公務員制度改革もその一つといえよう。政治主導の実現、公務員組織のスリム化、といった基本部分について、世論の大勢も主要政党もメディアも、同じ方向を向いている。
こうした合意争点は、しかし、いったん具体案が政権与党から提示されると、途端に対立争点(position issue)に転じることが多い。世論の方向性が明らかであるため、与党案では「手ぬるい」という批判や対案を、与党内の対抗勢力や野党などが出してくるからである。
2008年に当時与党であった自民党が国会に提出した国家公務員制度改革基本法を、民主党は「手ぬるい」と激しく批判した。しかし、政権交代後に民主党が提出した国家公務員法改正案に対しては、今度は自民党が「手ぬるい」と批判している。
公務員制度改革の重要性は非常に大きいが、政策課題が山積する中、延々と議論を続け改革競争をエスカレートさせていくのは適切ではない。
こうした議論を収斂(しゅうれん)させるためには、超党派での取り組みが有効となる。参院選後の衆参ねじれ現象は、必然的に超党派の政策形成を促すため、そのよい機会となるだろう。実際、玄葉光一郎前公務員制度改革担当相は、他党との政策協議に前向きな発言をしていた。
超党派での取り組みにあたっては、「改革派」対「抵抗勢力」の浅薄な二元論ではなく、制度改革の目的や根本理念に立ち返った骨太の議論を望みたい。公務員制度改革論争は、基本の方向性では一致しつつお互いの差異を強調してきたため、細かな法制度論の隘路(あいろ)にはまり込んでいる。半面、基本方向についての批判が少ないので、根幹部分の議論は粗い。
公務員制度改革の目的は、(1)国家と公務員の目指す方向性を一致させ(2)政官の役割分担を定め(3)目指すべき方向性に向け「個」の公務員の意欲・活力を最大化させることに尽きるはずである。これは企業など他の組織改革と変わらない。(1)(2)(3)を実現する上での制約要因は、権力分立原則、公務員の中立性の維持、公務員人件費縮減の必要性、などである。
図を見れば、この目的の実現が容易ではないことがわかる。日本は先進民主主義国家の中で、人口当たりの国家公務員数が非常に少ない。その上さらに公務員人件費を縮減しつつ、望ましい公務員制度改革を達成するためには、よほど効率良く(1)(2)(3)を達成しなければならない。
ここ10年以上の公務員制度改革は(1)の国家と公務員の方向性の一致に終始してきた。その中心が、官僚主導から政治主導への動きだ。省益に走りがちな官僚を、選挙で選ばれた政治家が主導し、国民の望む方向へ向けさせる、というロジックである。
民主党政権が提示した改革案の多くも(1)についてである。彼らが目指す政治主導は、基本的には政党主導ではなく、「内閣主導」である。特に重点が置かれているのは縦割り行政の打破で、幹部人事の一元化、内閣人事局の設置、国家戦略局(室)の設置などはいずれもその視点のものだ。
低成長、少子高齢化時代を迎え、政治・行政には「何を捨て、何を取るか」という調整機能が求められる。そのためにも縦割り行政の打破と内閣機能の強化は極めて重要である。その意味で、幹部公務員人事の横の流動化は必要であり、国家戦略室の機能は縮小されるべきでない。
しかし、幹部人事の一元化や内閣人事局の設置などを通じ、政治家が公務員の人事権を強く握ることについては、公務員の中立性や権力分立の観点から慎重な検討が必要だ。公務員は内閣の指揮命令に服すると同時に「全体の奉仕者」(憲法15条)として政治的中立性も要求される。この両者の微妙なバランスには敏感でなければならない。実際、民主党が政治主導のモデルとする英国では、大臣の公務員に対する人事権を認めていない。
政治家が幹部公務員に対して強い人事権を持てば、幹部公務員は政治家の歓心を買うために政治化する。しかし、官僚が政治家と一体化し利害調整を担うことになれば、それは「自民党時代の族議員・官僚主導」への逆戻りとなるのではないか。
望ましい政治主導とは、政治家と官僚が一体化することではないはずだ。選挙で選ばれた政治家が方向性やプライオリティーを示し、官僚は専門知識を生かして政策の選択肢を示すといった役割分担こそが必要となる。
その際、政治家が、党利党略や選挙区利益のため公務員を「主導」しないよう監視することも必要となる。政官の接触制限を導入すべきである。また、政党や政務三役の意思決定過程の透明化も重要となる。そのためにドイツなどに見られる政党法の発展的な導入や、政務三役会議の議事録公開を検討すべきだ。
公務員制度改革の論議のおそらく最大の特徴は(3)「個」の公務員の意欲最大化についての議論が驚くほど欠けていることである。当然のことながら、組織のパフォーマンスは個の構成員の能力と意欲にかかっている。優秀な人材を確保し、彼らが意欲とプライドを持って、自らの知力や創造力を前向きに絞り出すような環境をつくる必要がある。
企業などの組織改革でトップが最も重視するのは、構成員へのインセンティブ(誘因)の付与であろう。適切なインセンティブを与えることで構成員を前向きに正しい方向へと誘導できれば、構成員の意欲の最大化だけでなく、組織と構成員の方向性の一致も実現できるからだ。これに対し、トップが構成員を強権的に抑えつければ、方向性は一致できるかもしれないが、意欲が損なわれる。
だが、同じ人間の組織を扱っているにもかかわらず、公務員制度改革では公務員にインセンティブを与えるという前向きの議論は少なかった。代わりに、公務員の行動規制や法律の抜け穴をふさぐことばかりに熱を上げてきた。これは企業でいえば、抜本的な経営改革をするのに就業規則の改定ばかりに熱中するようなものだ。
天下り問題もインセンティブの観点から考えることができる。天下りは、退官後に高額の報酬を与える制度であるため、組織に対する長期的な忠誠のインセンティブとなっていた。しかしこれは、縦割り行政の弊害が叫ばれる現在ではむしろ逆効果であろう。民主党案のように天下りのあっせんを禁止しつつ、定年を実質延長する方向に進むことが望ましい。
最後に、公務員制度改革についての問題点と取るべき方向性についてまとめたい。
1つは、改革のベースとなる基本的な点について、政治哲学や理論、データを基に検討し直すべきである。たとえば、自民党政権では官僚主導だったと思われているが、政治学者の丹念な実証研究の結果は、否定的なものが多い。
2つ目は、政治制度改革との連動である。政治家が、党利や部分利益でなく全体利益のため公務員を主導するよう、国民が政務三役や政党を監視できる制度が必要となる。
3つ目は、上からの法規制ではなく、個を中心に置いた制度設計を進める必要があるという点だ。公務員制度の根源は、個々の公務員の能力と意欲である。彼らの創造力や活力を最大限に引き出すようなインセンティブ付けが必要となる。若手公務員の声にもっと耳を傾けるべきだ。法律家でなく、経営者や経営学者の視点が重要となる。
そして最後は、国家ビジョンである。これがあってはじめて、公務員制度も、個の公務員が向くべき方向性も、最終的に定まってくるはずだ。
<ポイント>
○公務員制度の議論、超党派の取り組み有効
○従来は「国家と公務員の方向性一致」に終始
○国家ビジョン踏まえた骨太の改革議論必要
20/09 公務員制度改革論点 (上)政治的中立性も重視を
稲継裕昭 早稲田大学教授
天下り廃止は不可避 人件費削減、現実的な案に
終戦直後の1947年に制定された国家公務員法は、戦前の身分的な官吏制度を改革し、民主的で能率的な公務運営を確保するための公務員制度を確立しようとするものであった。翌年、労働基本権の制約と、その代償措置として人事院の創設を目玉とする大改正がなされたが、それから半世紀の間、日本の公務員制度は抜本的な改革を経験してこなかった。
以前なら、国民の間には「キャリア官僚たちはエリート意識が鼻持ちならないし、天下りもあってねたましいが、金銭面で手を汚すことは少なく(なぜなら退職金や天下りが“人質”になっている)、日本の経済発展に貢献している」という意識がある程度共有されていたと考えられる。実際、80年代の世論調査では、天下りに対する批判は少なく、今とは隔世の感がある。
長年運用されてきた国家公務員制度の根幹は、二重の「将棋の駒」の形で、かつ「アップ・オア・アウト型」の昇進管理にあった(図の上)。まず各省ごとの採用時点でキャリア(上級甲)とノンキャリア(中級・初級)を分ける。同期で採用された各省20人程度の事務系キャリアは「同一年次採用者の同時昇進」の原則に従って、一定レベル(本省課長級)までは同時に昇進していく。
だが、審議官クラスへは同期全員は昇進(アップ)できず、昇進競争に敗れた者は外部(特殊法人、公益法人、民間企業)へ天下り(アウト)する。その上の局長クラス、さらに事務次官を選抜するまでこの昇進競争が続く。このシステムにより、比較的若い時期に重要なポストを経験させ、官僚組織を活性化するとともに、忠誠心をもって職務に精励するキャリア公務員制度をつくり出した。
だが、このシステムはある時期から逆機能に転じる。もともと公務員の忠誠心は国家ではなく各省に向かっていたが、経済成長が鈍化して各省間のゼロサムゲームが熾烈(しれつ)化するにつれ、セクショナリズムが加速した。試験制度の変更後、大学卒の2種(ノンキャリア)採用者の中の優秀な者は、能力的に1種(キャリア)採用者の一部を上回る例も見られるようになってきた。さらに、80年代末から90年代にかけてキャリア官僚の不祥事も相次ぎ、官僚バッシングの大合唱となる。これらを契機として公務員制度改革が大きな政治問題となってきた。
公務組織の活性化に役立ってきた天下りも様々な問題点が指摘されるようになった。現在の国民世論からして天下り廃止は不可避であり、従来のアップ・オア・アウト方式はもはや継続できない。そのため、従来50歳代前半で天下りさせていた職員を省内にとどめざるを得ず、各省ともその対応に苦慮している。
昇進年齢を遅らせると、若手職員のモチベーション低下を招く。これを避けるため、現役のまま独立行政法人などへ出向させる方法をとっているが、一部メディアからは、これすらも「天下り」と批判されている。上級専門スタッフ職という制度が考えられているものの「窓際厚遇」との批判もあり、今年の人事院勧告には盛り込まれなかった。
結局、同期採用同時昇進という昇進制度の在り方そのものを変えざるを得ないと考えられる。能力・実績主義の徹底ということである。すでに、1種と2種という区分ではなく、総合職と一般職という区分へと試験制度を変更することを人事院が提案しており、キャリアとノンキャリアの境界がゆるやかなものとなるだろう。
2008年成立の国家公務員制度改革基本法は次の3点を規定している。(1)縦割り行政の弊害を排除するため、内閣の人事管理機能を強化すると同時に、多様な人材の登用および弾力的な人事管理を行える幹部職員制度を設けること(2)その任用については内閣官房長官がその適格性を審査して候補者名簿を作成し、各大臣が人事(任免)をするにあたっては、首相および官房長官と協議したうえで行うこと(3)それらを所掌する内閣人事局を設置することである。
さらに、民主党政権が本年の国会に提出した国家公務員法改正案(審議未了で廃案)には、事務次官、局長、審議官を同一職階とみなして、その間の異動を柔軟に行えるようにする(極端にいえば事務次官から審議官へも可能)という内容も盛り込まれていた。全体として、内閣主導で、より柔軟な人事異動を可能にする方向が目指されている。
ただ「内閣主導の適材適所の人材登用を柔軟に行う」場合に、留意しなければならない重要なポイントがある。政治的応答性(政治的な要求にどれだけ応えるか)と、官僚のもつ専門性の両立、バランスである。政治的応答性は重要であるけれど、他方で政治的中立性(政権が交代しても従来と同じく専門性をもって政策提案ができること)が不可欠である。猟官制が跋扈(ばっこ)した大正時代の例を引き合いに出すまでもなく、行政の中立性を損ねた場合に、非効率な行政の被害を最終的にこうむるのは国民である。
米国の官僚の政治任用に関する最近の注目される研究は、政治化が進んだ省庁や機関のパフォーマンスが低下することを実証的に明らかにしている。政治化が進んだ米連邦緊急事態管理局(FEMA)は05年、米国南東部を襲ったハリケーン・カトリーナに極めてお粗末な対応をして、大勢の犠牲者を出してしまった。政治的応答性を重視しようとする場合でも、公務員の政治的中立性を念頭に置き、また、組織のパフォーマンスを低下させないためにはどうすればよいか、制度設計および運用において、十分な配慮が必要である。
今後の制度設計にあたっては、人事権の乱用や恣意(しい)的人事が行われないように細心の注意が必要であるとともに、そのための装置を用意する必要がある。
まず、適格性審査の段階で、中立公正な判断のできる第三者(有識者委員会や人事委員会)をかませる必要がある。適格性審査において政治家は排除されるべきだろう。
次に、幹部候補者名簿の中から特定のポストに任命する段階においても、英国の幹部リーダーシップ委員会・各省選考委員会による審査のような仕組みが検討されてよい。何らかの専門的機関が、ポストごとの候補者名簿を順位をつけて作成し、そこから大臣が任命するという仕組みにしてはどうだろうか。大臣は、名簿の第1順位でなく第2順位の候補者を選んでもよいが、その場合は説明責任が発生することにする。それくらいの仕組みにしないと、情実任用、猟官制の危険は避けられないと考えられる。
最後に、人件費削減と労働基本権の問題について触れておきたい。労働基本権を付与する代わりに人件費を2割削減すべきだ、との議論が横行しているが、これは現実的ではない。労働組合側からすれば基本権を付与してもらって人件費が減らないことを狙うのは当然である。人件費削減をもくろむ政府与党と、権利回復を求める労組側の思惑は同床異夢となっている。スト権を含む労働基本権論議の大前提としては国民をも巻き込んだ議論が必要であるが、残念ながら十分な議論が尽くされているとはいえず、今後まだ時間を要する課題である。
人件費2割削減はより現実的な案を検討する方がよい。まずは多くの自治体で行っているように内閣や議会が責任をもって公務員給与の5%程度のカットを行う。そのうえで、国の地方出先機関の職員のうち4万5千人程度(国家公務員30万人の15%、出先機関20万人の23%程度)を非公務員型の独立行政法人化する方法がある。国立大学や国立病院は非公務員型の独法となり厳しい評価を受けている。ガバナンス(統治)があまり効いていない地方出先機関はこの際、非公務員型の独法にして、評価委員会の厳しい視線にさらすことが必要だろう。
〈ポイント〉
○能力・実績主義の人事制度へ変更が必要に
○省庁の政治化が進むとパフォーマンス低下
○労働基本権付与して人件費削減は非現実的
天下り廃止は不可避 人件費削減、現実的な案に
終戦直後の1947年に制定された国家公務員法は、戦前の身分的な官吏制度を改革し、民主的で能率的な公務運営を確保するための公務員制度を確立しようとするものであった。翌年、労働基本権の制約と、その代償措置として人事院の創設を目玉とする大改正がなされたが、それから半世紀の間、日本の公務員制度は抜本的な改革を経験してこなかった。
以前なら、国民の間には「キャリア官僚たちはエリート意識が鼻持ちならないし、天下りもあってねたましいが、金銭面で手を汚すことは少なく(なぜなら退職金や天下りが“人質”になっている)、日本の経済発展に貢献している」という意識がある程度共有されていたと考えられる。実際、80年代の世論調査では、天下りに対する批判は少なく、今とは隔世の感がある。
長年運用されてきた国家公務員制度の根幹は、二重の「将棋の駒」の形で、かつ「アップ・オア・アウト型」の昇進管理にあった(図の上)。まず各省ごとの採用時点でキャリア(上級甲)とノンキャリア(中級・初級)を分ける。同期で採用された各省20人程度の事務系キャリアは「同一年次採用者の同時昇進」の原則に従って、一定レベル(本省課長級)までは同時に昇進していく。
だが、審議官クラスへは同期全員は昇進(アップ)できず、昇進競争に敗れた者は外部(特殊法人、公益法人、民間企業)へ天下り(アウト)する。その上の局長クラス、さらに事務次官を選抜するまでこの昇進競争が続く。このシステムにより、比較的若い時期に重要なポストを経験させ、官僚組織を活性化するとともに、忠誠心をもって職務に精励するキャリア公務員制度をつくり出した。
だが、このシステムはある時期から逆機能に転じる。もともと公務員の忠誠心は国家ではなく各省に向かっていたが、経済成長が鈍化して各省間のゼロサムゲームが熾烈(しれつ)化するにつれ、セクショナリズムが加速した。試験制度の変更後、大学卒の2種(ノンキャリア)採用者の中の優秀な者は、能力的に1種(キャリア)採用者の一部を上回る例も見られるようになってきた。さらに、80年代末から90年代にかけてキャリア官僚の不祥事も相次ぎ、官僚バッシングの大合唱となる。これらを契機として公務員制度改革が大きな政治問題となってきた。
公務組織の活性化に役立ってきた天下りも様々な問題点が指摘されるようになった。現在の国民世論からして天下り廃止は不可避であり、従来のアップ・オア・アウト方式はもはや継続できない。そのため、従来50歳代前半で天下りさせていた職員を省内にとどめざるを得ず、各省ともその対応に苦慮している。
昇進年齢を遅らせると、若手職員のモチベーション低下を招く。これを避けるため、現役のまま独立行政法人などへ出向させる方法をとっているが、一部メディアからは、これすらも「天下り」と批判されている。上級専門スタッフ職という制度が考えられているものの「窓際厚遇」との批判もあり、今年の人事院勧告には盛り込まれなかった。
結局、同期採用同時昇進という昇進制度の在り方そのものを変えざるを得ないと考えられる。能力・実績主義の徹底ということである。すでに、1種と2種という区分ではなく、総合職と一般職という区分へと試験制度を変更することを人事院が提案しており、キャリアとノンキャリアの境界がゆるやかなものとなるだろう。
2008年成立の国家公務員制度改革基本法は次の3点を規定している。(1)縦割り行政の弊害を排除するため、内閣の人事管理機能を強化すると同時に、多様な人材の登用および弾力的な人事管理を行える幹部職員制度を設けること(2)その任用については内閣官房長官がその適格性を審査して候補者名簿を作成し、各大臣が人事(任免)をするにあたっては、首相および官房長官と協議したうえで行うこと(3)それらを所掌する内閣人事局を設置することである。
さらに、民主党政権が本年の国会に提出した国家公務員法改正案(審議未了で廃案)には、事務次官、局長、審議官を同一職階とみなして、その間の異動を柔軟に行えるようにする(極端にいえば事務次官から審議官へも可能)という内容も盛り込まれていた。全体として、内閣主導で、より柔軟な人事異動を可能にする方向が目指されている。
ただ「内閣主導の適材適所の人材登用を柔軟に行う」場合に、留意しなければならない重要なポイントがある。政治的応答性(政治的な要求にどれだけ応えるか)と、官僚のもつ専門性の両立、バランスである。政治的応答性は重要であるけれど、他方で政治的中立性(政権が交代しても従来と同じく専門性をもって政策提案ができること)が不可欠である。猟官制が跋扈(ばっこ)した大正時代の例を引き合いに出すまでもなく、行政の中立性を損ねた場合に、非効率な行政の被害を最終的にこうむるのは国民である。
米国の官僚の政治任用に関する最近の注目される研究は、政治化が進んだ省庁や機関のパフォーマンスが低下することを実証的に明らかにしている。政治化が進んだ米連邦緊急事態管理局(FEMA)は05年、米国南東部を襲ったハリケーン・カトリーナに極めてお粗末な対応をして、大勢の犠牲者を出してしまった。政治的応答性を重視しようとする場合でも、公務員の政治的中立性を念頭に置き、また、組織のパフォーマンスを低下させないためにはどうすればよいか、制度設計および運用において、十分な配慮が必要である。
今後の制度設計にあたっては、人事権の乱用や恣意(しい)的人事が行われないように細心の注意が必要であるとともに、そのための装置を用意する必要がある。
まず、適格性審査の段階で、中立公正な判断のできる第三者(有識者委員会や人事委員会)をかませる必要がある。適格性審査において政治家は排除されるべきだろう。
次に、幹部候補者名簿の中から特定のポストに任命する段階においても、英国の幹部リーダーシップ委員会・各省選考委員会による審査のような仕組みが検討されてよい。何らかの専門的機関が、ポストごとの候補者名簿を順位をつけて作成し、そこから大臣が任命するという仕組みにしてはどうだろうか。大臣は、名簿の第1順位でなく第2順位の候補者を選んでもよいが、その場合は説明責任が発生することにする。それくらいの仕組みにしないと、情実任用、猟官制の危険は避けられないと考えられる。
最後に、人件費削減と労働基本権の問題について触れておきたい。労働基本権を付与する代わりに人件費を2割削減すべきだ、との議論が横行しているが、これは現実的ではない。労働組合側からすれば基本権を付与してもらって人件費が減らないことを狙うのは当然である。人件費削減をもくろむ政府与党と、権利回復を求める労組側の思惑は同床異夢となっている。スト権を含む労働基本権論議の大前提としては国民をも巻き込んだ議論が必要であるが、残念ながら十分な議論が尽くされているとはいえず、今後まだ時間を要する課題である。
人件費2割削減はより現実的な案を検討する方がよい。まずは多くの自治体で行っているように内閣や議会が責任をもって公務員給与の5%程度のカットを行う。そのうえで、国の地方出先機関の職員のうち4万5千人程度(国家公務員30万人の15%、出先機関20万人の23%程度)を非公務員型の独立行政法人化する方法がある。国立大学や国立病院は非公務員型の独法となり厳しい評価を受けている。ガバナンス(統治)があまり効いていない地方出先機関はこの際、非公務員型の独法にして、評価委員会の厳しい視線にさらすことが必要だろう。
〈ポイント〉
○能力・実績主義の人事制度へ変更が必要に
○省庁の政治化が進むとパフォーマンス低下
○労働基本権付与して人件費削減は非現実的
20/09 7月の全産業活動指数(22日) 4カ月連続で上昇へ 三井住友AMチーフエコノミスト 宅森昭吉
経済産業省は22日、7月の全産業活動指数を発表する。季節調整済みでは前月より0.9%程度高い97.0前後になりそうだ。4カ月連続で前月を上回り、景気の拡大局面が続いていることを裏付ける見通し。7月には消費者が、環境保全に配慮した「」に対する政府の補助金が残り少なくなったことで自動車を買い急ぎ、猛暑をしのぐため衣料品や飲料の購入を増やしたとみられる。
全産業活動指数の構成要素として6割以上のウエート(比率)を持つ第3次産業活動指数は、7月の上昇率が前月比1.6%に達した。これは一般的な予想を0.9ポイントほど上回っている。
一方、全産業活動指数に対するウエートが2割弱の鉱工業生産指数は7月、前月より0.2%下落した。7月の内訳を推定すると、たばこの生産が10月1日の値上げを控えた駆け込み需要で伸びたが、医薬品の生産は落ち込んだとみられる。
全産業活動指数は各産業が生み出す付加価値の増減を反映する。そのため、国内総生産(GDP)の推移と似た動きをすることが多い。やや気が早いが、7~9月期の実質成長率は前期比年率で2%台に乗る可能性が高い。これは4~6月期の同1.5%をしのぐ。7~9月期を通して消費が堅調になるとみられるためだ。エコカー補助金、猛暑は8月以降も消費の底上げ要因になった。
さらに先の話になるが、10~12月期の実質GDP成長率は、7~9月期の反動で低い値になるという見方が多い。
全産業活動指数の構成要素として6割以上のウエート(比率)を持つ第3次産業活動指数は、7月の上昇率が前月比1.6%に達した。これは一般的な予想を0.9ポイントほど上回っている。
一方、全産業活動指数に対するウエートが2割弱の鉱工業生産指数は7月、前月より0.2%下落した。7月の内訳を推定すると、たばこの生産が10月1日の値上げを控えた駆け込み需要で伸びたが、医薬品の生産は落ち込んだとみられる。
全産業活動指数は各産業が生み出す付加価値の増減を反映する。そのため、国内総生産(GDP)の推移と似た動きをすることが多い。やや気が早いが、7~9月期の実質成長率は前期比年率で2%台に乗る可能性が高い。これは4~6月期の同1.5%をしのぐ。7~9月期を通して消費が堅調になるとみられるためだ。エコカー補助金、猛暑は8月以降も消費の底上げ要因になった。
さらに先の話になるが、10~12月期の実質GDP成長率は、7~9月期の反動で低い値になるという見方が多い。
20/09 働きやすい会社2010、ソニーが初の首位
新人の特性に合わせ研修
本社調査
日本経済新聞社は19日、主要企業を対象に実施した2010年の「働きやすい会社」調査の結果をまとめた。ソニーが初めて総合ランキングの首位になった。2位の東芝をはじめ上位10位のうち電機が6社を占めた。グローバル人材の育成など時代に即した社員教育を充実させた企業や、育児・介護に配慮し多様な働き方の実現に取り組む企業が高い評価を得た。=企業ランキングと調査結果の詳細を21日付日経産業新聞に
働きやすい会社調査は日経リサーチとの共同企画で、企業の人事・労務制度の充実度を点数化し、ビジネスパーソンが重視する度合いに応じて傾斜配分してランキングを作成した。4つの項目別ランキングも作った。
総合1位のソニーは「社員の意欲を向上させる制度」の項目でトップだったほか「働く側に配慮した職場づくり」で東芝に次ぐ2位に入った。
ソニーは今春から新入社員とチューターの教育に、米海兵隊で使われている組織論「FSS理論」を導入した。
「部下を放任する」「細かく指導する」など社員を行動パターンで類型化し、1つのチームに様々なタイプを組み合わることで生産性を上げる理論で「新人の特性に合った適切な指導が可能になった」(人事企画部)。
社員1人あたりの研修費が36万8988円と1位だった点や、10月を「キャリア月間」に位置付け、社員の意欲を引き出していることも高評価につながった。
年休制度の利用 東芝、要件緩和
2位の東芝は「働く側に配慮した職場づくり」「子育てに配慮した職場づくり」の2つの項目で最多得点を獲得し、昨年の18位から躍進した。今年4月から最低1時間から取得できる年休制度の利用要件を緩和し、使い勝手を向上させた。
パナソニックは昨年1位から3位に後退したが、4つの項目すべてで4位以内に入った。今年3月までの2年間で育児休業を取得した男性社員は1386人と、日産自動車に次ぐ2位だった。
日立製作所は留学機会を提供
4位の日立製作所は「今後2年半の間に2000人の意欲ある若手社員に海外業務研修や留学の機会を提供する」、5位の凸版印刷は「本社と関連会社の垣根を取り払いグループ全体で人材を育成する」(凸版印刷)と回答。時代の変化に即して社員の成長を後押しする姿勢を示した。
本社調査
日本経済新聞社は19日、主要企業を対象に実施した2010年の「働きやすい会社」調査の結果をまとめた。ソニーが初めて総合ランキングの首位になった。2位の東芝をはじめ上位10位のうち電機が6社を占めた。グローバル人材の育成など時代に即した社員教育を充実させた企業や、育児・介護に配慮し多様な働き方の実現に取り組む企業が高い評価を得た。=企業ランキングと調査結果の詳細を21日付日経産業新聞に
働きやすい会社調査は日経リサーチとの共同企画で、企業の人事・労務制度の充実度を点数化し、ビジネスパーソンが重視する度合いに応じて傾斜配分してランキングを作成した。4つの項目別ランキングも作った。
総合1位のソニーは「社員の意欲を向上させる制度」の項目でトップだったほか「働く側に配慮した職場づくり」で東芝に次ぐ2位に入った。
ソニーは今春から新入社員とチューターの教育に、米海兵隊で使われている組織論「FSS理論」を導入した。
「部下を放任する」「細かく指導する」など社員を行動パターンで類型化し、1つのチームに様々なタイプを組み合わることで生産性を上げる理論で「新人の特性に合った適切な指導が可能になった」(人事企画部)。
社員1人あたりの研修費が36万8988円と1位だった点や、10月を「キャリア月間」に位置付け、社員の意欲を引き出していることも高評価につながった。
年休制度の利用 東芝、要件緩和
2位の東芝は「働く側に配慮した職場づくり」「子育てに配慮した職場づくり」の2つの項目で最多得点を獲得し、昨年の18位から躍進した。今年4月から最低1時間から取得できる年休制度の利用要件を緩和し、使い勝手を向上させた。
パナソニックは昨年1位から3位に後退したが、4つの項目すべてで4位以内に入った。今年3月までの2年間で育児休業を取得した男性社員は1386人と、日産自動車に次ぐ2位だった。
日立製作所は留学機会を提供
4位の日立製作所は「今後2年半の間に2000人の意欲ある若手社員に海外業務研修や留学の機会を提供する」、5位の凸版印刷は「本社と関連会社の垣根を取り払いグループ全体で人材を育成する」(凸版印刷)と回答。時代の変化に即して社員の成長を後押しする姿勢を示した。
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25/09 Cuba sẽ thúc đẩy thực hiện mô hình tự kinh doanh
Ngày 24/9, Chính phủ Cuba thông báo sẽ mở rộng mô hình tự kinh doanh tới 178 loại hình dịch vụ kể từ ngày 1/10 tới.
Quyết định trên nhằm tạo công ăn việc làm cho hàng trăm nghìn lao động thuộc khu vực nhà nước sắp bị tinh giản biên chế trong vòng sáu tháng tới.
Thông báo nói trên, đăng tải trên tờ Granma - Cơ quan ngôn luận của Đảng Cộng sản Cuba, khẳng định chính sách mới này phù hợp với quyết định của Chính phủ nhằm điều chỉnh chính sách kinh tế quốc gia, với mục đích tăng cường năng suất lao động cũng như tính hiệu quả của nền kinh tế đất nước.
Giải pháp này khuyến khích người lao động tham gia tích cực vào các hoạt động sản xuất và nỗ lực hết mình trong công việc mà họ tự lựa chọn, đồng thời góp phần đáng kể vào kế hoạch cắt giảm chi phí ngân sách nhà nước dành cho trả lương người lao động, phù hợp với bối cảnh nền kinh tế Cuba hiện nay.
Trong khi đó, Phó Chủ tịch Hội đồng Bộ trưởng kiêm Bộ trưởng Kinh tế Marino Murillo cho biết Chính phủ đang tiếp tục nghiên cứu kế hoạch thực hiện những thay đổi trong năm tới.
Ngân hàng Trung ương Cuba cũng đang xem xét khả năng cung cấp tín dụng cho những người đăng ký tham gia mô hình tự kinh doanh.
Bên cạnh đó, Viện Nhà ở Quốc gia thông báo từ ngày 1 tháng Mười tới, sẽ dỡ bỏ quy định cấm cho thuê nhà bằng ngoại tệ./.
(TTXVN/Vietnam+)
Quyết định trên nhằm tạo công ăn việc làm cho hàng trăm nghìn lao động thuộc khu vực nhà nước sắp bị tinh giản biên chế trong vòng sáu tháng tới.
Thông báo nói trên, đăng tải trên tờ Granma - Cơ quan ngôn luận của Đảng Cộng sản Cuba, khẳng định chính sách mới này phù hợp với quyết định của Chính phủ nhằm điều chỉnh chính sách kinh tế quốc gia, với mục đích tăng cường năng suất lao động cũng như tính hiệu quả của nền kinh tế đất nước.
Giải pháp này khuyến khích người lao động tham gia tích cực vào các hoạt động sản xuất và nỗ lực hết mình trong công việc mà họ tự lựa chọn, đồng thời góp phần đáng kể vào kế hoạch cắt giảm chi phí ngân sách nhà nước dành cho trả lương người lao động, phù hợp với bối cảnh nền kinh tế Cuba hiện nay.
Trong khi đó, Phó Chủ tịch Hội đồng Bộ trưởng kiêm Bộ trưởng Kinh tế Marino Murillo cho biết Chính phủ đang tiếp tục nghiên cứu kế hoạch thực hiện những thay đổi trong năm tới.
Ngân hàng Trung ương Cuba cũng đang xem xét khả năng cung cấp tín dụng cho những người đăng ký tham gia mô hình tự kinh doanh.
Bên cạnh đó, Viện Nhà ở Quốc gia thông báo từ ngày 1 tháng Mười tới, sẽ dỡ bỏ quy định cấm cho thuê nhà bằng ngoại tệ./.
(TTXVN/Vietnam+)
Ngân sách của Nga sẽ dựa vào tín dụng trong nước
Với chủ trương tiếp tục hiện đại hóa đất nước và duy trì sự ổn định kinh tế vĩ mô, chính phủ Nga đang nỗ lực phấn đấu hoàn thành các trách nhiệm xã hội đối với người dân, trong đó đặc biệt chú trọng đến việc chăm sóc y tế, tăng lương hưu và trợ cấp trẻ em, sinh hoạt phí cho quân nhân và học bổng cho sinh viên.
Những ưu tiên này được Chính phủ liên bang Nga đặt ra cho kế hoạch chi tiêu ngân sách giai đoạn 2011-2013.
Trong dự thảo ngân sách liên bang được xem xét tại phiên họp chính phủ ngày 23/9, Thủ tướng Vladimir Putin khẳng định đặc thù của ngân sách liên bang trong những năm tới chủ yếu dựa vào các nguồn vay tín dụng trong nước và các khoản thu từ cổ phần hóa các doanh nghiệp.
Năm 2011, Nga có kế hoạch vay tín dụng nước ngoài ít hơn so với năm nay, khoảng hơn 3,5 tỷ USD, nguồn vốn để trang trải các khoản chi ngân sách chủ yếu sẽ huy động vốn nội bộ.
Chủ tịch Viện Năng lượng và Tài chính Leonid Grigoriev cho biết trong dự trù ngân sách 2011-2013 có tính đến những khoản dành cho việc giải quyết các nhiệm vụ xã hội.
Theo các nhà phân tích, một trong những nét mới của dự thảo ngân sách giai đoạn 2011-2013 của Nga là không tăng biên chế trong lực lượng lao động thuộc các đơn vị nhà nước và liên bang, thực hiện kế hoạch của Điện Kremlin đến năm 2013 giảm khoảng 20% biên chế nhà nước.
Mục tiêu của kế hoạch này là cắt giảm những biên chế hoạt động kém hiệu quả, loại bỏ các biên chế và chức năng trùng lặp giữa các ban ngành để tiết kiệm ngân sách./.
(TTXVN/Vietnam+)
Những ưu tiên này được Chính phủ liên bang Nga đặt ra cho kế hoạch chi tiêu ngân sách giai đoạn 2011-2013.
Trong dự thảo ngân sách liên bang được xem xét tại phiên họp chính phủ ngày 23/9, Thủ tướng Vladimir Putin khẳng định đặc thù của ngân sách liên bang trong những năm tới chủ yếu dựa vào các nguồn vay tín dụng trong nước và các khoản thu từ cổ phần hóa các doanh nghiệp.
Năm 2011, Nga có kế hoạch vay tín dụng nước ngoài ít hơn so với năm nay, khoảng hơn 3,5 tỷ USD, nguồn vốn để trang trải các khoản chi ngân sách chủ yếu sẽ huy động vốn nội bộ.
Chủ tịch Viện Năng lượng và Tài chính Leonid Grigoriev cho biết trong dự trù ngân sách 2011-2013 có tính đến những khoản dành cho việc giải quyết các nhiệm vụ xã hội.
Theo các nhà phân tích, một trong những nét mới của dự thảo ngân sách giai đoạn 2011-2013 của Nga là không tăng biên chế trong lực lượng lao động thuộc các đơn vị nhà nước và liên bang, thực hiện kế hoạch của Điện Kremlin đến năm 2013 giảm khoảng 20% biên chế nhà nước.
Mục tiêu của kế hoạch này là cắt giảm những biên chế hoạt động kém hiệu quả, loại bỏ các biên chế và chức năng trùng lặp giữa các ban ngành để tiết kiệm ngân sách./.
(TTXVN/Vietnam+)
NYT: Structural Unemployment: The First Generation
September 26, 2010, 6:56 am
Structural Unemployment: The First Generation
Who said this? More important, when did he say it?
In the light of this brief survey of the characteristics of the labor supply and the probable demand for labor, what is the outlook for unemployment? My opinion is that the demand, even though active and strong, will be met by supply which will be badly adjusted to fit it. There may very well be a great shortage of labor of certain kinds, with no prospect of any shifting or adapting which will bring about an increased supply. But this will be accompanied by an actual surplus of labor in other occupations. I believe this present labor supply of ours is peculiarly unadaptable and untrained. It cannot respond to the opportunities which industry may offer. This implies a situation of great inequality-full employment, much over-time, high wages, and great prosperity for certain favored groups, accompanied by low wages, short time, unemployment, and possibly destitution for others.
The answer is, it’s from a paper titled The Problem of Unemployment and the Changing Structure of Industry (subscription required), from the Journal of the American Statistical Association, published in 1935. That’s right: in the depths of the Great Depression, wise heads proclaimed the problem one of structural unemployment, which obviously could not be cured just by increasing demand.
Structural Unemployment: The First Generation
Who said this? More important, when did he say it?
In the light of this brief survey of the characteristics of the labor supply and the probable demand for labor, what is the outlook for unemployment? My opinion is that the demand, even though active and strong, will be met by supply which will be badly adjusted to fit it. There may very well be a great shortage of labor of certain kinds, with no prospect of any shifting or adapting which will bring about an increased supply. But this will be accompanied by an actual surplus of labor in other occupations. I believe this present labor supply of ours is peculiarly unadaptable and untrained. It cannot respond to the opportunities which industry may offer. This implies a situation of great inequality-full employment, much over-time, high wages, and great prosperity for certain favored groups, accompanied by low wages, short time, unemployment, and possibly destitution for others.
The answer is, it’s from a paper titled The Problem of Unemployment and the Changing Structure of Industry (subscription required), from the Journal of the American Statistical Association, published in 1935. That’s right: in the depths of the Great Depression, wise heads proclaimed the problem one of structural unemployment, which obviously could not be cured just by increasing demand.
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Paul Krugman
NYT: Fairer Deal
September 24, 2010
By SEBASTIAN MALLABY
Way way back, which means before the financial sector imploded, it wasn’t Wall Street bonuses and vampire squids that excited the most fury. People agonized, instead, about the stagnation of middle-class incomes and exploding inequality. In “Aftershock” — impressively, his 12th book — Robert B. Reich steers our attention back to those earlier worries, which have arguably become more urgent in the wake of the financial crisis. But right on the first page, he comes close to blowing it.
Reich opens his book by quoting Treasury Secretary Timothy F. Geithner. “For too long,” Geithner says, referring to the period leading up to the financial bust, “Americans were buying too much and saving too little.” This assertion is so sleep-inducingly true that one wonders why Reich bothers to invoke it. But then, astonishingly, the author’s purpose becomes clear. He actually doesn’t agree with it.
Reich insists instead that American consumers, and particularly the middle class, have been buying too little. For years, the United States has consumed more than it has produced; the excess demand has sucked in products from abroad, which is why the nation has run a trade deficit. The idea that the economy has suffered from a lack of demand is, shall we say, eccentric. But Reich declares repeatedly that the stagnation of middle-class buying power has been a drag on growth. “If earnings are inadequate,” he asserts, “an economy produces more goods and services than its people are capable of purchasing.” If that sentence described the American condition in the 1990s and the period leading up to the crash, Reich’s predicted excess output would have gone abroad and the United States would have run a trade surplus.
Reich is trying to fortify the standard case for redistribution. As he acknowledges, he could have grounded his argument in morality: it is simply unfair that the richest 1 percent of Americans capture almost a quarter of the total income in the economy. Alternatively, Reich could have invoked American values: a grotesquely skewed inequality of outcomes is bound to tip the playing field for the next generation of Americans, mocking the nation’s commitment to equality of opportunity. But instead Reich reaches for an economic claim — that redistribution is a prerequisite for growth. He fumbles it.
This is a pity, since much of Reich’s book is important and well executed. A Berkeley professor, public radio commentator and Clinton-era labor secretary, he is fluent, fearless, even amusing. He cheerfully denounces members of his own party: Senator Chris Dodd for his cozy links to the financial industry, Tom Daschle for monetizing his connections after leaving the Senate and failing to pay taxes, Dick Gephardt for denouncing lobbyists and then becoming one. Recalling the 1950s, when white male workers had it good, Reich wryly acknowledges that others fared less well. In 1957, United Airlines advertised its “executive” service between New York and Chicago, promising comfortable slippers, a steak dinner and “no women on board except for two stewardesses.”
Setting aside his confused stance on middle-class demand, Reich makes several cogent arguments. Drawing on well-known findings from psychology and economics, he notes that people find it hard not to increase consumption when others around them are spending lavishly. In a poor country, a man proves that he loves his wife by presenting her with a rose; in a country where the rich splash money on extravagant bouquets, even ordinary husbands feel obliged to buy six roses. Thanks at least partly to the example set by millionaire nuptials, the cost of the typical American wedding rose to about $28,000 from $11,000 between 1980 and 2007 after adjusting for inflation.
Caught between rising aspirations and stagnant wages, Reich says, middle-class Americans have gone through a series of coping mechanisms. First, women joined the workforce, giving families a second income. Then husbands and wives put in longer shifts, creating a species of family called DINS — “double income, no sex.” Finally, families went into debt. In this sense, inequality helped to stoke the credit bubble.
Now that the bubble has burst, these coping mechanisms are exhausted. Americans are not going to push their working hours up even more. Already, according to some estimates, they sleep an average of one or two fewer hours per night than did their parents in the 1960s; in 2007 they spent a whopping $23.9 billion on sleep aids, from white-noise machines to medications. Nor are Americans going to incur more debts; to the contrary, the credit bust has forced them to pay down their balances. And so, as Reich puts it, Americans will “face a necessity they have managed to avoid for decades: They have to make do with less.”
The belt-tightening is not likely to be popular, and Reich goes so far as to suggest that it could trigger a political convulsion. People are very likely to resent material losses bitterly if these are not broadly and fairly shared. And in the wake of the financial crisis, fairness has gone by the wayside: millions of Americans have lost jobs, but the financial sector has bounced back; eye-popping bonuses have returned; and last year the top 25 earners at hedge funds bagged a combined $25 billion. At some point in the not-too-distant future, Reich warns, C.E.O.’s may find that limousines are being purposely scratched and mobs are picketing their offices.
Reich concludes with a wish list of reforms that might head off such a confrontation. He wants a more progressive income tax, including negative taxes for anyone earning below $50,000. He wants a top income-tax rate of 55 percent, with the kicker that income from capital gains, now taxed at 15 percent, would face the same rate as income from salaries. He wants wage insurance — temporary compensation for workers who take big pay cuts when they shift jobs — as well as investments that make public transportation and Medicare more available. These proposals are generally reasonable — the top marginal tax rate was 70 percent or more between 1936 and 1980, a period of generally strong growth, and Medicare is more cost-effective than private insurance. But Reich also throws a few curveballs, and fails to discuss the gains in social fairness and economic growth that could be secured by limiting mortgage-interest deductions and other loopholes in the tax code.
But the really interesting question is whether Reich is right about the politics — whether the new Gilded Age will conjure up a new William Jennings Bryan, and whether such a candidate could be elected. Even in the harshest periods of American history, after all, economic resentments have been surprisingly muted and rabble-rousing populists have failed to win power. Toward the end of the Depression, in the late 1930s, a sociologist named Alfred Winslow Jones conducted field research around the violently strike-prone factories of Akron, Ohio, expecting that bitter industrial conflict might have created equally bitter class divisions. To his surprise, he found little evidence of such polarization.
Thus reassured, Jones migrated from sociology to journalism to finance. Ultimately, in a twist that Reich might grimly appreciate, he invented a fantastically profitable investment vehicle. He called it a “hedged fund.”
Sebastian Mallaby is a senior fellow at the Council on Foreign Relations. His book “More Money Than God: Hedge Funds and the Making of a New Elite” was published in June.
By SEBASTIAN MALLABY
AFTERSHOCK
The Next Economy and America’s Future
By Robert B. Reich
Way way back, which means before the financial sector imploded, it wasn’t Wall Street bonuses and vampire squids that excited the most fury. People agonized, instead, about the stagnation of middle-class incomes and exploding inequality. In “Aftershock” — impressively, his 12th book — Robert B. Reich steers our attention back to those earlier worries, which have arguably become more urgent in the wake of the financial crisis. But right on the first page, he comes close to blowing it.
Reich opens his book by quoting Treasury Secretary Timothy F. Geithner. “For too long,” Geithner says, referring to the period leading up to the financial bust, “Americans were buying too much and saving too little.” This assertion is so sleep-inducingly true that one wonders why Reich bothers to invoke it. But then, astonishingly, the author’s purpose becomes clear. He actually doesn’t agree with it.
Reich insists instead that American consumers, and particularly the middle class, have been buying too little. For years, the United States has consumed more than it has produced; the excess demand has sucked in products from abroad, which is why the nation has run a trade deficit. The idea that the economy has suffered from a lack of demand is, shall we say, eccentric. But Reich declares repeatedly that the stagnation of middle-class buying power has been a drag on growth. “If earnings are inadequate,” he asserts, “an economy produces more goods and services than its people are capable of purchasing.” If that sentence described the American condition in the 1990s and the period leading up to the crash, Reich’s predicted excess output would have gone abroad and the United States would have run a trade surplus.
Reich is trying to fortify the standard case for redistribution. As he acknowledges, he could have grounded his argument in morality: it is simply unfair that the richest 1 percent of Americans capture almost a quarter of the total income in the economy. Alternatively, Reich could have invoked American values: a grotesquely skewed inequality of outcomes is bound to tip the playing field for the next generation of Americans, mocking the nation’s commitment to equality of opportunity. But instead Reich reaches for an economic claim — that redistribution is a prerequisite for growth. He fumbles it.
This is a pity, since much of Reich’s book is important and well executed. A Berkeley professor, public radio commentator and Clinton-era labor secretary, he is fluent, fearless, even amusing. He cheerfully denounces members of his own party: Senator Chris Dodd for his cozy links to the financial industry, Tom Daschle for monetizing his connections after leaving the Senate and failing to pay taxes, Dick Gephardt for denouncing lobbyists and then becoming one. Recalling the 1950s, when white male workers had it good, Reich wryly acknowledges that others fared less well. In 1957, United Airlines advertised its “executive” service between New York and Chicago, promising comfortable slippers, a steak dinner and “no women on board except for two stewardesses.”
Setting aside his confused stance on middle-class demand, Reich makes several cogent arguments. Drawing on well-known findings from psychology and economics, he notes that people find it hard not to increase consumption when others around them are spending lavishly. In a poor country, a man proves that he loves his wife by presenting her with a rose; in a country where the rich splash money on extravagant bouquets, even ordinary husbands feel obliged to buy six roses. Thanks at least partly to the example set by millionaire nuptials, the cost of the typical American wedding rose to about $28,000 from $11,000 between 1980 and 2007 after adjusting for inflation.
Caught between rising aspirations and stagnant wages, Reich says, middle-class Americans have gone through a series of coping mechanisms. First, women joined the workforce, giving families a second income. Then husbands and wives put in longer shifts, creating a species of family called DINS — “double income, no sex.” Finally, families went into debt. In this sense, inequality helped to stoke the credit bubble.
Now that the bubble has burst, these coping mechanisms are exhausted. Americans are not going to push their working hours up even more. Already, according to some estimates, they sleep an average of one or two fewer hours per night than did their parents in the 1960s; in 2007 they spent a whopping $23.9 billion on sleep aids, from white-noise machines to medications. Nor are Americans going to incur more debts; to the contrary, the credit bust has forced them to pay down their balances. And so, as Reich puts it, Americans will “face a necessity they have managed to avoid for decades: They have to make do with less.”
The belt-tightening is not likely to be popular, and Reich goes so far as to suggest that it could trigger a political convulsion. People are very likely to resent material losses bitterly if these are not broadly and fairly shared. And in the wake of the financial crisis, fairness has gone by the wayside: millions of Americans have lost jobs, but the financial sector has bounced back; eye-popping bonuses have returned; and last year the top 25 earners at hedge funds bagged a combined $25 billion. At some point in the not-too-distant future, Reich warns, C.E.O.’s may find that limousines are being purposely scratched and mobs are picketing their offices.
Reich concludes with a wish list of reforms that might head off such a confrontation. He wants a more progressive income tax, including negative taxes for anyone earning below $50,000. He wants a top income-tax rate of 55 percent, with the kicker that income from capital gains, now taxed at 15 percent, would face the same rate as income from salaries. He wants wage insurance — temporary compensation for workers who take big pay cuts when they shift jobs — as well as investments that make public transportation and Medicare more available. These proposals are generally reasonable — the top marginal tax rate was 70 percent or more between 1936 and 1980, a period of generally strong growth, and Medicare is more cost-effective than private insurance. But Reich also throws a few curveballs, and fails to discuss the gains in social fairness and economic growth that could be secured by limiting mortgage-interest deductions and other loopholes in the tax code.
But the really interesting question is whether Reich is right about the politics — whether the new Gilded Age will conjure up a new William Jennings Bryan, and whether such a candidate could be elected. Even in the harshest periods of American history, after all, economic resentments have been surprisingly muted and rabble-rousing populists have failed to win power. Toward the end of the Depression, in the late 1930s, a sociologist named Alfred Winslow Jones conducted field research around the violently strike-prone factories of Akron, Ohio, expecting that bitter industrial conflict might have created equally bitter class divisions. To his surprise, he found little evidence of such polarization.
Thus reassured, Jones migrated from sociology to journalism to finance. Ultimately, in a twist that Reich might grimly appreciate, he invented a fantastically profitable investment vehicle. He called it a “hedged fund.”
Sebastian Mallaby is a senior fellow at the Council on Foreign Relations. His book “More Money Than God: Hedge Funds and the Making of a New Elite” was published in June.
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USA
Xinhua: Forum on China-Arab investment, trade kicks off
The 2010 China Investment and Trade Fair and the first China-Arab States Economic and Trade Forum opened Sunday in northwestern Yinchuan City, with aims to strengthen investment and trade ties between China and the Arabic states.
"The forum will certainly strengthen and deepen the traditional friendship and win-win cooperation between China and the Arabic states, as well as the Muslim regions, to realize mutual development," Chinese Minister of Commerce Chen Deming said at the opening ceremony of the five-day event at the capital of Ningxia Hui Autonomous Region.
Wan Jifei, chairman of the China Council for the Promotion of International Trade, said the forum has been held "in the right place" because Ningxia has a large Muslim population, and the region has played a significant role in Sino-Arabic relationships over history.
Ningxia is home to at least 10 percent of China's 20 million Muslims. It has drawn up plans to expand trade and economic cooperation with the world's Muslim community.
"We hope the future cooperation between the two sides will not be limited to trade. We hope to strengthen cultural cooperation, based on better mutual understanding of society, education and people," said Nader Al Dahabi, former prime minister of Jordan.
The five-day forum and fair has attracted more than 6,000 government officials and businessmen from 66 countries, regions and international organizations, including Chinese Vice Premier Hui Liangyu.
"We welcome China's enterprises to invest in energy and water resources and also in other promising fields, including hi-tech industries, food processing and electrical manufacturing," said Jaafar Hassan, minister of Planning and International Cooperation of Jordan, at the Summit Meeting of the forum.
China had offered 116 million U.S. dollars of interest-free and preferential loans to the country as of the second quarter this year, Jaafar Hassan said.
The Chinese economy and the United Arab Emirates (UAE) are complementary to each other, said Abdullah Bin Ahmed Al Saleh, director-general of the Ministry of Foreign Trade of the UAE.
"Chinese labor services export had extended from construction to other fields, including medical treatment and sea transportation. More and more Chinese workers can be seen in the UAE. At the same time, China has open its door to the Arab states with its 1.3 billion potential consumers," he said.
His views were echoed by Su Jing, commercial counselor of the Department of Foreign Trade of the Ministry of Commerce of China.
The Arabic states taken as a whole is a large market with a population of 339 million. The states rely on oil and gas production but lack a machinery manufacturing base, while China is a large importer of oil and its machinery exports take up a large market share of the states, Su said.
The total volume of Sino-Arabic trade grew to 132.8 billion U.S. dollars in 2008 from 5.8 billion U.S. dollars in 1996, but fell slightly in 2009 due to the economic crisis, to 107.4 billion U.S. dollars. The trade volume made a rapid recovery in the first six months of this year and reaching 69.1 billion U.S. dollars, he said.
Chinese Vice Premier Hui Liangyu said cooperation between China and the Arab states has great potential and a broad future, as two-way trade continues to grow.
As of the end of June, direct investment from China to the Arab states reached 3.78 billion U.S. dollars and the investment fields have extended from resource exploring, food and textile to those including leather manufacturing, automobile assembly and petrochemicals, Hui said.
At the same time, investment from the Arab states to China was 2.15 billion U.S. dollars, covering fields of petrochemicals, food, real estate and investment framework, he said.
Also other sectors which have received investment from the Arab states, including finance, tourism, aviation and new energy sectors, are booming, he said.
Hui said to strengthen mutual cooperation more strategic partnerships need to be developed.
"The forum will certainly strengthen and deepen the traditional friendship and win-win cooperation between China and the Arabic states, as well as the Muslim regions, to realize mutual development," Chinese Minister of Commerce Chen Deming said at the opening ceremony of the five-day event at the capital of Ningxia Hui Autonomous Region.
Wan Jifei, chairman of the China Council for the Promotion of International Trade, said the forum has been held "in the right place" because Ningxia has a large Muslim population, and the region has played a significant role in Sino-Arabic relationships over history.
Ningxia is home to at least 10 percent of China's 20 million Muslims. It has drawn up plans to expand trade and economic cooperation with the world's Muslim community.
"We hope the future cooperation between the two sides will not be limited to trade. We hope to strengthen cultural cooperation, based on better mutual understanding of society, education and people," said Nader Al Dahabi, former prime minister of Jordan.
The five-day forum and fair has attracted more than 6,000 government officials and businessmen from 66 countries, regions and international organizations, including Chinese Vice Premier Hui Liangyu.
"We welcome China's enterprises to invest in energy and water resources and also in other promising fields, including hi-tech industries, food processing and electrical manufacturing," said Jaafar Hassan, minister of Planning and International Cooperation of Jordan, at the Summit Meeting of the forum.
China had offered 116 million U.S. dollars of interest-free and preferential loans to the country as of the second quarter this year, Jaafar Hassan said.
The Chinese economy and the United Arab Emirates (UAE) are complementary to each other, said Abdullah Bin Ahmed Al Saleh, director-general of the Ministry of Foreign Trade of the UAE.
"Chinese labor services export had extended from construction to other fields, including medical treatment and sea transportation. More and more Chinese workers can be seen in the UAE. At the same time, China has open its door to the Arab states with its 1.3 billion potential consumers," he said.
His views were echoed by Su Jing, commercial counselor of the Department of Foreign Trade of the Ministry of Commerce of China.
The Arabic states taken as a whole is a large market with a population of 339 million. The states rely on oil and gas production but lack a machinery manufacturing base, while China is a large importer of oil and its machinery exports take up a large market share of the states, Su said.
The total volume of Sino-Arabic trade grew to 132.8 billion U.S. dollars in 2008 from 5.8 billion U.S. dollars in 1996, but fell slightly in 2009 due to the economic crisis, to 107.4 billion U.S. dollars. The trade volume made a rapid recovery in the first six months of this year and reaching 69.1 billion U.S. dollars, he said.
Chinese Vice Premier Hui Liangyu said cooperation between China and the Arab states has great potential and a broad future, as two-way trade continues to grow.
As of the end of June, direct investment from China to the Arab states reached 3.78 billion U.S. dollars and the investment fields have extended from resource exploring, food and textile to those including leather manufacturing, automobile assembly and petrochemicals, Hui said.
At the same time, investment from the Arab states to China was 2.15 billion U.S. dollars, covering fields of petrochemicals, food, real estate and investment framework, he said.
Also other sectors which have received investment from the Arab states, including finance, tourism, aviation and new energy sectors, are booming, he said.
Hui said to strengthen mutual cooperation more strategic partnerships need to be developed.
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