25/09 米長期金利が急低下 FRB「ツイスト・オペ」奏功か



2011/9/25 21:00
 米国などの機関投資家が一斉に資金を本国に回帰させつつある中、米金融市場では金利が低水準で推移する。米景気の減速懸念と欧州不安をにらみ安全資産とされる米国債に資金が流れ込んでいるためだが、投資を刺激する効果があるかどうかは見方が割れている。
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 米10年国債の利回りは23日に一時1.67%の過去最低水準を付けた。引けは1.83%。30年国債の利回りも先週2年8カ月ぶりに3%を下回り、2.9%で終えた。
 米連邦準備理事会(FRB)は景気を刺激する狙いから長期国債を積極購入するツイスト・オペを導入した。来年6月末までに期間6~30年の長期国債を4000億ドル(約30兆4000億円)買う一方、3年以下の国債を同額売るという同オペの影響から、長期債と短期債の利回りは接近してきた。
 2年国債と10年国債の利回り差は一時1.5%台と急速に縮小。10年債との差はさらに縮まり、利回り曲線(イールド・カーブ)は平たんになっている。ただ、FRBはこれが投資を刺激すると期待するが「米経済の問題は金利の水準ではなく、大きな効果は期待できない」(ウェルズ・ファーゴ)との声も少なくないのが現状だ。
 「金利低下の主な要因は景気見通しの悪化」(大和キャピタル・マーケッツ・アメリカのモラン氏)との分析も根強い。米連邦公開市場委員会(FOMC)が21日の声明で「景気の著しい下振れリスク」に言及して株価が急落し、欧州の財政不安再燃を踏まえて米国債購入に動く「質への逃避」が金利を押し下げている面もある。(ニューヨーク=西村博之)

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