18/03 円急落81円台に、株は大幅上昇 協調介入を好感

2011年3月18日11時11分

. 18日の東京金融市場は、日米欧当局が円売りドル買いの協調介入で合意したことが好感され、円が急落、株価は大幅上昇した。円相場は2日ぶりに1ドル=81円台まで戻し、前日につけた戦後最高値76円台と比べると5円超も下げた。日経平均株価は一時、3日ぶりに9200円台を回復した。

 18日早朝に主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁が緊急の電話会議で協調介入に合意したのを受けて、政府・日本銀行は午前9時、東京外国為替市場での取引が本格化した直後から、円売りドル買い介入に踏み切った。

 1ドル=79円10銭台だった円相場は一気に円安ドル高が進み、一時は81円40銭台まで下げた。前日のシドニー市場でつけた戦後最高値76円25銭と比べると、5円以上安い。その後も円売りドル買いが優勢で、午前10時現在は前日午後5時時点より2円05銭円安ドル高の81円26~27銭。

 円はユーロに対しても急落した。午前10時現在は、同3円24銭円安ユーロ高の1ユーロ=113円79~84銭。

 東京株式市場も、日経平均株価が一時、前日終値と比べ288円97銭高い9251円64銭をつけ、大幅に上昇している。

 日経平均の午前の終値は、同158円26銭(1.77%)高い9120円93銭。取引開始直後の上昇幅は同120円程度だったが、G7の協調介入実施で同200円超に拡大した。取引時間中に9200円台を回復するのは、過去3番目の大暴落となった15日以来となる。

 円安が進んだことで午前10時30分時点ではパナソニックやキヤノンなど、主力の輸出関連銘柄を中心に値上がりしている。東京証券取引所第1部の33業種中32業種が値上がりし、ほぼ全面高だ。原発事故対応に追われる東京電力の株価も、大震災発生後初めて、6営業日ぶりに上昇に転じた。

 市場からは「G7が協調したのはプラス評価だ」との声が多い。だが、今後の相場については「原発に対する懸念は払拭(ふっ・しょく)されていない」(大和証券キャピタル・マーケッツの西村由美・シニアマーケットアナリスト)としており、円安や株高がどの程度進むのかは不透明だ。

 一方、東京債券市場では、債券価格が下落(金利は上昇)した。長期金利の代表的指標である新発10年物国債の流通利回りが午前10時30分現在、前日終値より0.015%幅高い年1.215%をつけている。

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