金ETFってなあに


金ETFってなあに
はじめての金〔購入編・その4〕

2011/7/15 7:00
 この「はじめての金・購入編」では、金地金(きんじがね)、金貨、純金積立と購入の際の注意点などを説明してきました。今回は購入編の最終回。金を担当する日本経済新聞社編集局商品部の記者に、「金ETF」について聞きました。
――もともと株やFX投資をしていて、このところ「少し金も買っておこうかな」という人が増えている気がします。そういう人には「金ETF」もお勧め、という話を聞いたのですけれど、どんな商品なんですか。
 ETF(Exchange Traded Fund)は取引所に上場する投資信託です。証券会社を通じて、株式と同様に日中の相場変動を見ながら機動的に売買することが可能です。
 すでに証券口座を開設していて、インターネット取引に慣れている人であれば、すごくなじみやすい商品ではないでしょうか。
 仕組みは簡単です。現物の裏づけがある、とうたっているETFは一言でいえば金地金を購入してずっと持ち続けるという運用方針の投信です。
 投資家からの預かり金は全額、金地金の購入に充てられます。余計な運用をしないので、信託報酬(手数料)も通常の投信の5分の1程度の年間0.4%くらいです。長期投資に適している商品といえるでしょう。
 購入された金地金は保管会社(カストディアン)の金庫に保管されています。その実物在庫に対して預かり証のような有価証券が発行され、それが証券取引所に上場されて株式と同じように売買できるわけです。
 金庫に保管されている金地金は実際の写真や刻印番号まで情報が開示されていて、万が一保管会社が破綻したときでも、別途保護されることになっているので安心です。
 ただし、金ETFと呼ばれているものの中に現物ではなく金の債券や先物価格に連動するものもあるので、購入の際には仕組みをきちんと確認してくださいね。
 2010年7月には新しい金ETFも上場して、日本でもだいぶ認知されてきたように思います。一口1万円程度から投資することができますので、気軽に始めてみるのもいいかもしれません。
【この人に聞きました】
村上史佳(むらかみ・ふみか)さん
 日本経済新聞社編集局商品部記者。東京大学法学部卒。証券部、ヴェリタス編集部、経済金融部などを経て、現在商品部で貴金属担当として活躍中。

No comments:

Post a Comment