16/09 ソニーVS任天堂 東京ゲームショウ2強激突



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写真:大勢の来場者でにぎわうソニーの新製品「プレイステーションVita」のブース=15日午後、千葉市美浜区の幕張メッセ、遠藤真梨撮影拡大大勢の来場者でにぎわうソニーの新製品「プレイステーションVita」のブース=15日午後、千葉市美浜区の幕張メッセ、遠藤真梨撮影
 ゲームに不慣れな人の心もつかみたいソニー。ソニーが得意とするゲーム愛好家を奪いたい任天堂。15日に始まった「東京ゲームショウ」では、ゲームもできるスマートフォン(多機能携帯電話)に対抗し、ゲーム専用機でしのぎを削る両社の戦略が見えてきた。
 ソニーのブースは、12月発売の次世代携帯ゲーム機「プレイステーションVita(ヴィータ)」を手にしようという来場者であふれていた。ゲーム体験コーナーでは最大90分待ちになるほどの人気ぶりだった。
 いまの「プレイステーション・ポータブル(PSP)」同様、最先端の家庭用ゲーム機並みのコンピューターを搭載したVita。しかし、ソニーが会場でアピールしたのは、簡単に操作できるタッチパネルを本体の前面と背面に搭載したことなど、女性や小さな子どもでも手軽に遊んでもらえるようにした点だ。
 というのも、前身のPSPやスーパーコンピューター並みの能力を持つ家庭用ゲーム機「PS3」では、ゲームが複雑になりすぎ、手軽に遊びたい利用者が離れてしまったからだ。ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンの河野弘社長は同日、「Vitaには女性やシニア層にも楽しめるソフトを用意したい」と話した。
 対する任天堂は13日、携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」向けの新作ソフトの発表会を開催。東京ゲームショウの会場でもソフトメーカーのブースに新作がずらりと並んだ。
 同社はソニーとは逆に、前身の「DS」や据え置き型の「Wii」で、簡単に楽しめる自社製ソフトが人気を集め、従来はゲームをしなかった新しいファンを掘り起こした。だが、他社製の人気ソフトの開発は停滞。熱心なゲームファンを取り逃がし、その巻き返しが課題になっている。(牧内昇平、山村哲史)