07/09 [FT]米独国債利回り2%を切る 米欧市場が日本化する恐れ



Financial Times

[FT]米独国債利回り2%を切る 米欧市場が日本化する恐れ 

2011/9/7 21:15
(2011年9月7日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
 市場にとっては単なる数字であり、1つの心理的な壁にすぎないかもしれないが、10年物の米国債とドイツ国債の利回りがここ数日の間に2%を下回った。これは極めて重大なことだ。
 主要国で国債利回りが2%を下回っていたのは日本だけだ。日本国債の利回りは過去14年間、歴史的な低水準にある。加えて株価も低下、日経平均株価は1989年の最高値に比べ4分の1以下に落ちている。
 米独でも株価が夏の低迷から抜け出ないなかで国債利回りが低下、投資家は深刻に受け止めている。この状態が続くなら、資産の配分と投資に関する基本的な考え方のいくつかを変える必要があるのかもしれない。
 エジンバラの資産運用会社のロッド・デビッドソン氏は「日本のような状況に陥ると思うなら、何も賭けに出る必要はない。株は下げ、長期の国債を保持したいと思うだろう。しかしそれにも問題はある。政府の支払い能力を心配するようになるからだ」と指摘する。
 米欧の債券と株が日本と全く同じようになる確率はどのくらいあるのだろうか。
 過去数十年の市場の動きから判断すると、現在の株は割安で債券よりも有利な水準にあると多くの投資家はみている。
 しかし別の見方もある。ハリス・プライベート銀行のジャック・アブリン氏は「米国債と株式市場の動きに乖離(かいり)がある時はいつも債券が正しく、今回もそのようにみえる」と述べた。
 CRTキャピタルのデビッド・エイダー氏は「米国は“失われた10年”の3年目を迎えている」と言う。同氏は10年物の利回りは米国の成長率が1%にとどまると、1.65~1.75%に下がるとみる。
 西側の市場が日本化する恐れは本当にある。投資家がどのような選択をしようと避けがたい現実が1つある。JPモルガンのミスラブ・マテイカ氏は「先進国の潜在成長率が低くなると考えるのは合理的。従って大半の資産の収益率が低くなるのは当然のことだ」と述べた。
By Richard Milne and Michael Mackenzie
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