米国株、反発 ダウ277ドル高で1カ月半ぶり高値 欧州懸念が後退

2012/6/30 6:36
【NQNニューヨーク=古江敦子】29日の米株式相場は大幅に反発した。ダウ工業株30種平均は前日比277ドル83セント(2.2%)高の1万2880ドル09セントと、5月8日以来、約1カ月半ぶり高値で終えた。上げ幅は今年2番目の大きさ。ユーロ圏首脳が債務問題の解決に向けた対策で合意し、欧州債務問題に対する懸念が後退した。投資家が運用リスクをとる姿勢を強め、幅広い銘柄に買いが膨らんだ。

ユーロ圏首脳は29日、金融市場の安定のために金融安全網から民間銀行に資本を直接注入できる仕組みで合意。欧州連合(EU)首脳会議などで具体的な進展はないとの見方が多かっただけに驚きを誘い、売りに傾けていた持ち高を調整する目的の買いが広がった。
ダウ平均は6月に486ドル超上昇し、上げ幅は今年最大だった。
ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は29日に前日比85.56ポイント(3.0%)高の2935.05ドルで終え、5月8日以来、約1カ月半ぶりの高値を回復した。
業種別S&P500種株価指数は全10業種が上昇した。「資本財・サービス」や「IT(情報技術)」、「エネルギー」の値上がりが目立った。売買高はニューヨーク証券取引所(NYSE)が約10億9000万株(速報値)、ナスダック市場は約18億8000万株(同)だった。
バンク・オブ・アメリカやシティグループ、モルガン・スタンレーなど金融銘柄の上昇が目立った。石油のエクソンモービルや非鉄のアルコアなども上げた。決算で赤字幅が縮小した住宅のKBホームが大幅高となった。
一方、大手銀のJPモルガン・チェースが下落。ダウ平均を構成する30銘柄で唯一下落した。前日夕に減益決算を発表したスポーツ用品のナイキが大幅安。スマートフォン(高機能携帯電話)「ブラックベリー」を展開するカナダのリサーチ・イン・モーション(RIM)の下げもきつかった。赤字決算を嫌気する売りが膨らんだ。

No comments:

Post a Comment